2016年12月31日

ふるさと審査員

~NHKホール正面前 

マツコ ここだよお父さん

タモリ ここだね

マツコ ここだよ あら

(立っている一人の警備員)

タモリ こんばんは

マツコ こんばんは

警備員 入場整理券はお持ちですか?

(お互い指さしながら)

マツコ お父さん持ってる・・・

タモリ いやいや・・・

マツコ お父さん昨日持ってくって言ったじゃないのよ 酔っ払いながら「俺が持ってく!」って怒ったじゃないあたしのこと

タモリ 言わないよ俺

マツコ 探してよ

タモリ ちょっと待ってください

(それぞれのバッグの中を探す二人)

マツコ あたし・・・ないよお父さん

タモリ おかしいな・・・

マツコ だってあたし持ってきてないもん今日 お父さんが持ってくるって言ったからあたし持ってきてないもの

タモリ 言ったっけ?言ったっけ?

マツコ 何だったっけ?ほらあれ?

タモリ 言われてるんですよ あのーふるさとキャラバンなんです

マツコ ふるさとキャラバンじゃないって!何か・・・何とか調査員みたやつだよ

タモリ 出口調査?

マツコ 出口調査じゃないよ!何とか・・・何とか調査みたいの・・・

タモリ あの普通のじゃないんです

マツコ 普通の観覧じゃないんですよ

タモリ あのー呼ばれてるんですけども

マツコ だから入らないとマズいんですよ今日

警備員 お持ちでないと入場できないんですよ

マツコ 四角四面なことばっかり言うんだよねNHKはこうやってあんた お父さん本当に

タモリ も、もう一回探します

(それぞれのバッグの中を探しながら)

マツコ お父さん持ってくるって言ったから

タモリ 言ったかな・・・

マツコ ないわよあたしお父さん


~再びNHKホール正面前 

(警備員が五人に増えている)

マツコ プロデューサーさんなの?

タモリ プロデューサーに言えば・・・あの・・・

マツコ プロデューサーに言ってもらえばわかるんでちょっと

タモリ 呼ばれて来たんで・・・

マツコ 入れてくださいよ

警備員 整理券をお願いします

タモリ 整理券・・・あのだから・・・

マツコ (一人の警備員を指して)何この人もう・・・だからもう入れてよもう 今・・・

(マツコ、五人の警備員に突進して押し問答)


~NHKホール内

タモリ こっちじゃないか?音がするよ

マツコ 誰も案内してくんないんだから

タモリ 案内しないんだよな

マツコ 大丈夫なの?お父さんこんなとこ

タモリ こっちだよ こっちこっち

マツコ 大丈夫なのこれ?お父さん

(舞台裏に出る)

マツコ イヤだこれお父さん!お父さんこれ!ちょっとどうなってんのこれ?
     
マツコ (舞台の方を見て) あれ!お父さん!

(歌い終わった水森かおりがセットと共にやって来る)

マツコ あれ!

タモリ 凄い

マツコ お父さん!

タモリ 何?

マツコ あれお父さんさっちゃんじゃないの?

タモリ 小林幸子出てないよ

マツコ さっちゃん、さっちゃんじゃないのあれ?

タモリ 違うよ よく見てよ

(水森かおりがセットの上から手を振りながら通り過ぎていく)

マツコ あらやだ!お父さん!お父さん!お父さんほら!お父さん誰だっけ?お父さん

タモリ 水森亜土だよ

マツコ 水森亜土、水森亜土!?

タモリ そう

マツコ 水森亜土ちゃん・・・(水森かおりに向かって手を振る)お父さん・・・凄いね

(カメラが通り過ぎる)

マツコ アーアッ!ごめんなさいねヤダ お父さんこれ見れるんじゃないのこれ?

タモリ こっちどこだ?これ

マツコ どこ?お父さんこれ どこに行ったらいいの?


~ベンチに座っている二人

タモリ 誰が歌ってるか全然わかんない

マツコ (ベンチの隣に置いてある積まれた弁当を凝視)

タモリ 「ぜんぜんぜん」とか言ってた

マツコ (タモリを叩く)

タモリ どうしたお前?

マツコ お父さんほら(置いてあった弁当を渡す) お父さんいいから

タモリ 疲れたよな

マツコ (弁当を開けながら)食べちゃおうそれ

タモリ 弁当どこで売ってた?弁当どこで・・・

マツコ (隣を指しながら)ここに置いてあったの

タモリ (置いてある弁当を見ながら)いいのかこれ?

マツコ いいわよ!受信料払ってんだからお父さん

タモリ 受信料って弁当代じゃないだろう?

マツコ 受信料弁当代も込みよ!

タモリ 込みじゃないよ

マツコ 込みだよあのー

タモリ お腹減ったよな

マツコ ついでにあのーBSのあの何か変な画面どうやって消すか 聞いとこっかなあれ?

タモリ 俺もわかんないんだよあれ     

マツコ あれ何かわかんないどうやって消したらいいのか

タモリ イライラするんだよね

マツコ イヤンもう・・・どうしよう?誰に聞けばいいんだろう?(周りを見回しながら)いいのかな?

タモリ ここどこだ?ところで

マツコ わかんないここ 疲れちゃった

タモリ 疲れちゃったもう お前最近疲れ易くなったよね

マツコ あたしもうどうしよう年だね段々もう・・・

(そばで自撮りしているぺこ&りゅうちぇるを見つけて)

マツコ あれ何だっけ?あれ何だっけ?

タモリ あの子ほら・・・

マツコ 何ちゃんだっけあれ?

タモリ えっと・・・ド、ドイツ・・・

マツコ 土井、土井たか子?

タモリ 土井たか子じゃないよ

マツコ ドイツって

タモリ 何ったっけ?

マツコ 何だったっけ?ペポ・・・

タモリ ペポじゃない

マツコ ペコ何とかよ!

タモリ ペコじゃないって!(笑い出す)

マツコ ペコ何とかだって!

タモリ 違うってそれ!違うって!(笑)

マツコ リュウ、リュウ、リュウ・・・何だったっけ?リュウ、リュウ・・・

タモリ 柳亭?

マツコ リュウ、リュウ・・・竜雷太?

タモリ 竜雷太じゃない(笑)

マツコ 何だったっけ?リュウ、リュウ・・・

タモリ お前結構(笑)

マツコ 何だったっけ?

タモリ 結構今日面白いなお前(笑)

マツコ 何だったっけ?あの子たち 
     
マツコ (ペコ&りゅうちぇるの方を向いて)何だったっけ?

りゅうちぇる 竜雷太じゃない!りゅうちぇる!

マツコ りゅうちぇるよ!

タモリ (笑)

マツコ りゅうちぇる!


~狭い部屋に入っていく二人

タモリ こっちから音するぞ こっちだよ

マツコ こんな所・・・こんなとこ違うでしょお父さんこれ

タモリ これじゃないの?

マツコ (バッグがドアにぶつかる)

タモリ お前大丈夫か?大丈夫か?お前

マツコ 違うよここ

タモリ ここよここ音するもん

マツコ でもガーッと音するねえ

タモリ 音するよ

マツコ 何これ?

(タモリ扉を開ける)

タモリ アッ!ここだ!ここだよ

マツコ アッ!ここだー!

(パイプオルガンがあるバルコニーに出る)

(ざわめく会場)

マツコ ここ景色いいねえ!

タモリ ここだよ

マツコ アーここだお父さん!

タモリ オー凄い!

マツコ 景色いいお父さんこれ!あら一番いい席だよここお父さん!

タモリ 一番いい席だよ

マツコ ここでゆっくり見させてもらおうかねえ

タモリ 見させてもらおうねえ ここ一番いいよねえ

(二人に向かって手を振っている会場の観客たち)

タモリ アーあ、あれ?みんな手振ってる(笑)

マツコ (後ろを振り返ってパイプオルガンを指して)これ何だろうね?これ

タモリ これわかんない 何だろう?何だろう?

マツコ (鍵盤を押して音を出す)

タモリ オッ!オイ音出るよ(パイプオルガンに向かって座り直す)

マツコ 音出たよお父さん

(鍵盤を押しまくる二人)

マツコ 凄いお父さん!

タモリ (足鍵盤を踏む)

マツコ 足、足で音出たお父さんこれ!

タモリ (足鍵盤を次々に踏む)

マツコ アッ!それっぽいお父さん!それっぽいよ 

タモリ (両手で鍵盤を押す)
     
(やってきた警備員)

警備員 こんな所で何やってるんですか!

マツコ お父さん上手い!お父さん上手!

(警備員に気づく二人)

警備員 何やってるんですか!危ないから出てください! 行きますよ
      
マツコ 行きゃあいいんでしょ(両手で鍵盤を押す)お父さんの方が上手だよこれ

タモリ (両手で鍵盤を押しまくる) 

マツコ ほら!


~ロビーのソファに座る二人

タモリ なんか疲れたね

マツコ (グッタリして)もうお父さんもう・・・いいやあたしもう
     
タモリ アア?どうしたんだァお前?

マツコ もう・・・もう見なくていいよもう お父さんもう・・・

タモリ (ロビーの時計を見て)アア!もうお前あれだよ11時過ぎたよ

マツコ もう帰ろう 帰ろうもう・・・

タモリ 帰ろうか?

マツコ 帰ろうもう・・・

タモリ さっきなんかゴジラ・・・

マツコ ゴジラいなかったさっき あれ何だったんだろう?・・・

タモリ 見えなかったよな?     

マツコ 見えなかったもんゴジラ・・・

タモリ ゴジラ何で来るんだよ?

マツコ ゴジラ何?わかんないもうゴジラ・・・何で来んの?もう・・・    

タモリ ポール牧からのメッセージ・・・

マツコ ポール牧じゃないお父さん!ポール・マッカートニーだって・・・

タモリ あっそう

マツコ ポール牧さんもうメッセージ出来ないからもう・・・

タモリ そうか・・・

マツコ 牧さん・・・

タモリ とりあえずもう11時だし帰ろうか?だってもう入れないしさ 

マツコ だってあの人たちが入るなって言うんだもん なんかもう怖いわあの人たち

(ホールへの階段前に立っている二人の係員)

タモリ グルグルと方向がもう全くわかんないしさ

マツコ わかんないもう・・・

タモリ 少し音が漏れ聞こえてくるだけなんだよ

マツコ 何か「ゴメンねー!」って言ってた・・・

タモリ 誰が?

マツコ 誰かわかんない 「ゴメンねー!」って言ってた・・・

タモリ 謝ってたの?

マツコ 謝ってた・・・

タモリ あっそう・・・

マツコ アア!アメ横でカニ買って帰ろうお父さん!

タモリ あ、そうだ!タラバ買おうよ!タラバ!

マツコ タラバ今年高い!

タモリ 高い・・・高いんだよなータラバなー

マツコ タラバが今年取れないんだって

タモリ 正月やっぱタラバ食べないとさ気分出ないじゃないお前と あのカッ!(カニの足から身を引っ張る仕草)とー あの身のデカいやつ 松葉ガニ細いからさ・・・

マツコ だってお父さんそう言いながらだって お父さん何であんなバカみたいにカニばっかり食べてんのよお正月もう・・・

タモリ だって正月はカニだろうお前 正月はカニだよ

マツコ 今年は今年は四本足食べさせてよあたし お父さんお父さんいつも七本食べてんだもん

タモリ (笑)行こう!行こうかもう アメ横

マツコ アメ横 アメ横行こう


~NHKホール正面前

マツコ お父さん結局何も見れなかったね本当に

タモリ なあ(笑)

マツコ でも楽しかったね

タモリ いや面白かったよ

マツコ (立っている警備員を見て)お父さんほら!

タモリ 色々お世話になりました

マツコ お世話になりました

タモリ ありがとうございました

警備員 お気をつけて

マツコ ありがとうございます

(二人歩きながら)

タモリ いい記念だよ本当に

マツコ いい記念なったね

タモリ 絶対経験できないよ

マツコ 何も見るもんなんて・・・

タモリ これ帰る途中で年が明けるな

マツコ お父さん!家でゆっくり年越ししたかったー

タモリ なあ!(笑)

マツコ もうやだー